講演会(2015.6.13)のご報告/第86回『賢い患者になりましょう。医療者とのコミュニケーション』

投稿日:2017年12月6日 更新日:

日時 2015-06-13
場所
テーマ 『賢い患者になりましょう。医療者とのコミュニケーション』
講師 山口 育子  先生 (NPO 法人ささえあい医療人権センター COML  理事長 )

第86回大阪QOLの会 講演会の報告と感想

(講演のご報告と感想)

山口育子先生の今回のご講演は
希望と勇気をいただける大変貴重なご講演でした。

病気になるとお医者さんにかかる
こんな普通のことに
コミュニケーションがどれほど大事かといいうことを
風邪をひいただけではそれほど感じません。
うまく状況が先生に伝わらなかったとしても、
お医者さんとの関係がうまくいかなかったとしても
風邪はいつか治るし、治ったらそれでいいと心のどこかで思っているからです。

これまで何の接点もなかったお医者さんと初めて出会い、
命に関わる対話を続けていく

そんな大変なことをやっていくには
いろいろなギャップを埋める作業が必要です。
そのための方法をとても具体的に教えてくださいました。
誰もがそうすればよいというものでもなく、
患者さんそれぞれの価値観や人生観に訴えるご講演でした。

ご講演を聞きながら
私が乳癌になり治療選択や対話がこんなに難しいものなのかと
実感していた時のことを思い出していました。

お医者さんと癌患者さんの対話では、
ふつうのコミュニケーションに必要なスキルや思慮以上に
デリケートな要素が多々あり、
難しくなるケースがあるんだと私は思います。
患者さんは癌というバックグランドがなければ何とも思わないような普通の言葉に傷つくようになり、
自分の弱さの自覚から自分が思っている以上に人に期待したり、
あるいは逆に必要以上にあきらめや批判を抱くようになったり
といったことがおこっているように思います。
お医者さんははれものに触るような気持ちになられることもあるかもしれません。

自尊心と体力気力の低下がある中で
うまくコミュニケーションをとり
治療をする、行動するということは
想像以上にエネルギーのいることです。
私は山口育子先生ご講演とCOMLの小冊子『新・医者にかかる 10 カ条』は
患者さんに勇気を与えてくれる家族のような、
患者さんに寄り添ったすばらしいものだとおもいました。

医療をもっとよりよいものになるように
患者さんたちも堂々と医療に参加できる土台を作ってくださったことにとても感謝しました。

そしてなによりも
命の大切さを主張することが普通ではなかった以前の時代に、
それを実践されてきた先生の強さと人との関わり方に
とても感銘を受けました。

(患者ボランティア: ishii)

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