『第16回なにわ乳がんを考える会』(2019.8.17)のご報告

投稿日:2019年9月18日 更新日:

日時 2019-08-17
場所 梅田スカイビルタワーウェスト36階

第16回なにわ乳がんを考える会 の報告と感想

教育講演 『がんと遺伝について』
教育講演 講師 浦川 優作 先生
(兵庫県立がんセンター遺伝診療科 遺伝カウンセラー)

「がんと遺伝子について」

癌患者にとって、自分以外の家族に癌の人がいると、
遺伝ではないかと心配してしまいます。

乳がんの5~10%は遺伝因子が関与していると
考えられており、
遺伝性乳がん・卵巣がん症候群では、
BRCA1遺伝子とBRCA2遺伝子に
生まれつきの変異があるそうです。

遺伝子検査を受けて陽性だった場合、
ショックを受けるかもしれませんが、
早期発見のための検診・予防方法をとることができます。

陰性だとしても、大手を振って喜べません。

12人に1人が乳がんを発症する現在です。
家族が絶対に乳がんにかからないとは限りません。

BRCA以外の遺伝子かもしれないし、
遺伝子に関係ないかもしれない、とのことでした。

必要なのは自己チェックと定期健診ですね。

 

                   eiko

教育講演 『がんゲノム医療とは』
特別講演 講師 須藤 保 先生
(兵庫県立がんセンター研究部 ゲノム医療・臨床試験センター ゲノム医療担当次長)

「がんゲノム医療とは」

今年度6月にゲノム医療は保険適応になったそうです。

「ゲノム医療」って何?

保険適応の対象は、
①標準治療が終了したが治癒せず、
②指定病院や連携病院に自力で受診できる元気な方で、
③生検や手術時の組織を持参できる人。

組織を持参できない方や、検体が劣化している場合は
保険適応にならない血液検査となり約45万円必要らしいです。

遺伝子情報(A・T・G・C)の変異を明確にし、
分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬など、
個々に合う薬を探す事をパネル検査といい、

結果が出るまでに約2か月を要すそうです。

全ての患者情報は癌情報管理センターで一括保管されます。

標準治療終了前などの保険適応外で、
自費でパネル検査を受けたい方は40~100万円。

その結果も①適応するゲノム治療が見つかる場合、

②現存するが他疾患での申請薬品であり、
乳癌で使用するためには倫理委員会の承認待ちが
必要となり治療開始が遅れる場合、

③ゲノムが見つからない場合、

④家族性が発見される場合など、
パネル検査の2か月後に明るい未来が必ずあるとは限らないようです。

 

標準治療でヘトヘトになった方からは
「これ以上?信じられない」との反応がありました。

2人に1人が癌になる時代です。

将来、乳がんに限らず、診断時に遺伝子検査を
併用してくれたら患者は苦しむ期間が短くて済むのに。

ゲノム医療をふまえて、
「パネル検査で判明した場合は、申請疾患に限らない」
などの保険適応の変更があれば嬉しいですね。

                      eiko

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