『第15回なにわ乳がんを考える会』(2018.7.28)のご報告

投稿日:2018年8月5日 更新日:

日時 2018-07-28
場所 梅田スカイビルタワーウェスト36階

第15回なにわ乳がんを考える会 の報告と感想

教育講演 『わたしらしく生きる』
教育講演 講師 井関 千裕 先生  
兵庫県立西宮病院 
がん看護専門看護師

第15回 なにわ乳がんを考える会、
はじめの講演は 井関千裕 先生(兵庫県立西宮病院 がん看護専門看護師)の
テーマは「わたしらしく生きる」です。

「わたしらしく生きる」、自分はどう生きたいのかを大切にすることは、
がんと上手に取り組む要になるというお話でした。

今ではがんは慢性的な病気ととらえられ、
治療にまつわる決定も医師中心から患者中心になってきています。

そして診断〜初期治療〜経過観察〜再発治療などの場面で
私たち患者は様々な意思決定をしなければならず、
それは、なかなか大変なことです。

特にストレスを感じている時、
「大事な決め事はできれば保留にして、
冷静になってから決定した方が良い」ということです。

そのストレス軽減や課題を乗り越えるためには?
「周囲を頼ることも大切」だそうです。
例えば、誰かに気持ちを打ち明け、話しを聞いてもらう。
医療者にもSOSを出し、意思決定を手伝ってもらったり、
がん相談支援センターなど他の相談場所を教えてもらう。
生活面の問題を地域包括支援センターなどにサポートしてもらう。など。

そんな時にも「わたしらしく」を基準に考えると、少し肩の力が抜け
前に進みやすいと気づかされます。

「その患者さんが大事にしていることは何なのか?
その人らしさを実現できるよう支援したい。」と
繰り返し話される井関先生の真摯な姿に、
私たちも様々な人々に支えられているという心強さを感じました。

私自身、乳がんと診断されてからを振り返ると
悩んで物事が決められず、決めれないこと自体がストレスになっていました。
「わたしらしく」の軸がブレていたようです。

あらためて「自分は何を大切にして、どのように生きたいか」を
考えるよい機会になりました。

患者ボランティア uenaka

教育講演 『治療と「仕事」の両立 ~体験談から学ぶ対応のポイント~』
特別講演 講師 高橋 都 先生  
国立がん研究センター 
がん対策情報センター がんサバイバーシップ支援部 

高橋都先生は、がん患者や家族が診断後の社会生活で直面する課題や
支援に関する研究に幅広く取り組んでおられます。
今回は「治療と仕事の両立」をテーマにご講演いただきました。

がんと診断されたら、治療が始まる前に『びっくり離職』する人がとても多いそうです。困っているのは患者や家族だけではない。
優秀な人材を失う不安で雇用側も困っているというお話から始まりました。

最近、社員ががん治療を受けるときの費用を負担し、
特別な休暇を設けるなどして、
がんになっても雇用を継続できる環境づくりを進める企業が増えてきています。

患者側も「支援は空から降ってくるわけではない」ので
就業規則を調べ、
自分の周りのいろんな人と相談しながら
上手に支援を引き出す工夫をしなければいけません。

「あれば助かる配慮」をどのように職場へ提案するか。
「企業で働いた経験のない主治医」とどのように仕事の相談をするか。
配布冊子「がんと仕事のQ&A~がんサバイバーの就労体験に学ぶ~」には
体験談に基づいた豊富な事例と
患者・家族・医療者・雇用者が書いたコラムも掲載されています。
「がん情報サービス」のサイトでファイルとして見ることもできますが、
印刷物として手にとるとていねいにじっくり読むことができました。

「死ぬかもしれない」という不安で自分のがんについて調べる方法はたくさんあります。でもその後に続く生活設計を考えていくことも必要です。

治療と就労を両立させるため、
患者はどのように動けばいいか、
どのように話せば伝わるか、
ダメ元で聞いてみる勇気も必要だという先生の熱いメッセージを受けとった講演会でした。

患者ボランティア 植田

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