『第14回なにわ乳がんを考える会』(2017.7.29)のご報告

投稿日:2017年12月30日 更新日:

日時 2017-07-29
場所 梅田スカイビルタワーウェスト36階

第14回なにわ乳がんを考える会 の報告と感想

教育講演 『がんの親をもつ子どもへのサポート』
教育講演 講師 椎野 育恵 先生 (淀川キリスト教病院 がん化学療法看護認定看護師)

「小さい子どもに自分のがんをどう伝えるか」について学ぶことができました。
今回講演された椎野先生が勤務される淀川キリスト教病院では
「がんの親をもつ子どもを支援する」ことを積極的に行っておられます。

乳がんの罹患年齢は30~40才後半がピークであることから、
診断を受けたとき学齢期の子どもがいる割合が多いといわれます。

長期の治療で子どもの学校行事への参加が困難になることを考える時、
「がんという病気を小さい子どもにどのように伝えるか」はとても難しい問題です。

講演前半では海外で発表された研究事例を中心に
「子どもにがんを伝える親の気持ち」「がんの親をもつ子どもの気持ち」が紹介されました。
子どもにはその年令に応じた病気の伝え方があり、
伝えたことにより子供との信頼関係、家族の絆ができるそうです。
母親の副作用について準備できたという効果もあるといいます。

後半は、病院で実際に行われている CLIMB (クライム)プログラムという
「がんの親をもつ子どものためのグループワーク」が紹介されました。
とても興味深いものでした。
プログラムの最終日にお母さんに手紙を書く男の子の後ろ姿が心に残りました。

私は最近、女性同志の友情をコメディタッチで描いた「マイ・ベスト・フレンド」という
イギリス映画を観ました。主人公の親友に乳がんが見つかり、夫と子どもたちに
抗がん剤治療の副作用を紹介する DVD を見せるシーンがあります。
その映像がとてもポップでかわいらしかったのが印象的で、
このようなビデオツールがあることをうらやましく思いました。

最後に
今回の講演テーマ「がんの親をもつ子どもへのサポートグループ」が
参加者を募集しておられます。
今年は10月22日(日)~11月12日(日)全4回のプログラムです。
詳細はこちらをご覧ください
http://www.ych.or.jp/news/climb.html
患者世話人  植田

教育講演 『乳癌治療の最前線』
特別講演 講師 中山 貴寛 先生 大阪国立がんセンター(旧大阪府立成人病センター) 乳腺・内分泌外科 主任部長

中山貴寛先生は「乳癌治療の最前線」というテーマで講演してくださいました。
乳がんの各タイプの説明や、各タイプに対して行われるガイドラインに沿った治療に
関して詳しく説明してくださりとても勉強になりました。
ガイドラインに関しては、 NCCN ガイドラインや乳がん学会のホームページで
公開されているガイドラインを閲覧することができるということも教えていただきました。
また、オンコタイプ DX に関して、各遺伝子の発現量のパターンで
化学療法の効果が見込めるかどうかということがわかるようだという研究結果は
私にはとても印象に残りました。
副作用に関して、例えば化学療法による脱毛の予防のための臨床研究や
タキサン系のしびれを予防するための研究がされているということを初めて知りました。
最近臨床で使われるようになっている薬のことに関してもいろいろと知ることができ
大変勉強になりました。
正しい情報を入手し、しっかり理解し、納得して治療法を選択することが大事である
という先生のメッセージをしっかり受け止め、納得して治療を受けるために私たちも
努める必要があるということを改めて感じました。
ありがとうございました。

患者世話人  ISHII

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